社会的には、心が穏やかになれることが少なく、次々に災害や事件、事故が起こり落ち着かない1年でしたが、そのなかでの私なりの成果を三つだけあげることをお許しくださ遺い。
一番は、今までの念願であった『遠野物語』交流まつりツアーが実現できたことでした。
この企画、最初は2010年から読書会を始め、2011年6月に実施する予定であったのが
3.11でそれどころでなくなり、次の2020年もコロナで計画すら立てられなくなりました。
今回、朝日カルチャーセンター立川教室の『遠野物語』講座を母体として、立川、鎌倉での私の話を聞いてくれた方々、『神奈川新聞』の記事を見て応募してくれた方々、『柳田國男全集』書簡編への資料提供されたご縁の方々など多彩な方たちが参加してくれました。
中には日本山岳会の会長をされていた古野さんや『山と渓谷』の編集長だった久保田さんもいらしていて、話題豊富な会となりました。
話題豊富といえば、1日目の交流まつり、喜善のひ孫の泰宏さん、99話の長根福二(福治)の玄孫の勝さんの「初公開」の生々しいお話を聞けたことも成果でした。
常民大学の話をする予定だった似内さんが都合により来れなくなったのは残念でしたが、昔を知る多くの方が集ってくれて、ツアー参加者30人、遠野の方18人の懇親会は和やかな雰囲気で盛り上がりました。
発表者の富川岳さんも、遠野常民大学やわたしたち各地の常民大学の運動に興味をもってくれたので、来年の後藤総一郎先生の毎年恒例のお墓参りの後の合同研究会で話をしてくれることとなりました。
有難いことです。
次の世代への橋渡しのような思わぬ反響を得て、今年の最大の成果とさせてもらいました。
このイベントの下準備には、遠野市観光協会の阿部さんはじめスタッフの方々、富川屋の富川さん、田仲さん、二日目のガイドをしてくれた大橋さん、宿舎の水光園の方々はじめ遠野の皆さん方のお力なくしては出来ないことでした。
この場をお借りしてお礼申し上げますとともに、また近いうちに、第二、第三の『遠野物語』交流まつりツアーを提案させていただくことをお約束いたします。
写真は、オープニングセレモニーの「しし踊り」のあと、土淵小学校の小学生による「こども語り部」の実演。