この間の悲しい別れをお知らせします。
日本地名研究所会員各位 2019.4.25
3月31日(日)未明、我らが日本地名研究所所長関和彦氏がお亡くなりになりました。
突然のことで、今でも信じられないのですが、会員の皆さまへの報告を書くことで、自分自身もこの事態
を受け入れようと思います。
日曜日の午後、出雲大会でお世話になった松江の福島さんから電話があり、耳を疑う事態を知りまし
た。翌日、事務局の菊地、高橋、小田の三人でご自宅に弔問に伺いました。
奥様とお嬢様ご家族、そして、今にでも目をあけてにこやかに語りかけてくれそうな関さんがやさしく迎
えてくださいました。奥様から、お医者さんに寝ている間にくも膜下出血をおこし、数分の間に静かに息
を引き取ったのではないかと言われたのが、せめてもの救いとのお話をお聞きしました。
私たちは、この2日前に『地名と風土』の最終校正をして、終わってからの一杯をやったばかりのこと
でした。考えてみれば、3月16日の三鷹牟礼を歩く地名探訪を皮切りに、遠野大会の講演準備のため釜
石と住田の犬頭山取材、帰ってからの地名研理事会そして隠岐調査と休む暇なく動かれていた関さんを想
い、申し訳ない気持ちになりました。
関家は仏教だけれど、自分の葬儀は神道でやってほしいと常々おっしゃっていたとのこと。
二日の通夜祭、三日の葬場祭は、中野宝仙寺で、出雲大社から神官さんが四人みえられて、厳粛に行われ
ました。弔辞を述べられた出雲大社権宮司の千家和比古さんは研究者としての関さんの業績だけでなく、
教育者としての姿、誰にでもにこやかに接する人柄を語りかけるように述べられました。
冒頭、「出雲が関先生のお命を早めたのではないか」とのお気持ちを吐露されましたが、それは私たちも
「地名研が・・・」の想いで同じです。
六月の遠野大会をどのように迎えるかが当面の課題です。大会前の関さんの73回目の誕生日を遠野で
お祝いできなくなったのは残念ですが、喜んでもらえるような大会
にしようと事務局一同、心に誓っていることをここに記し、悔しいご報告とさせていただきます。
(文責 『地名と風土』編集長 小田 富英)