5月31日(土)、川崎で開かれた「第33回 全国地名研究者大会」に行ってきました。
本当は、この日は、毎年参加している「遠野郷人会」に行く予定でしたが、日本地名研究所の所長、谷川健一先生がお亡くなりになったため、その後の新所長になるという谷川彰英さんから頼まれたからです。
後藤総一郎先生の口利きで事務局長の仕事をしたこともある川島健二氏と、柳田研究会の高橋治氏と三人で行ってきました。
思えば、後藤先生に連れられて初めて地名研究所のシンポジウムに行ったのがもう30年以上も昔のことになるわけです。
レセプションにも参加し、また新たな出会いもありました。
今後、どの程度のお手伝いができるかは未定ですが、何か楽しいことができそうな予感もしています。
思い出「谷川健一からの檄」
谷川健一が出した大著『南島文学発生論』の出版パーティーの二次会の席でのこと。
同じ頃出版されていた村井紀の『南島イデオロギーの発生』に話が及んで、谷川さんが、私たち柳田研究会のメンバーに向かって、「あんなことを書かれて君たちは黙っているのか」と声を荒げておっしゃったのです。
後藤さんは慣れていたのであろう、淡々と受け流して「小田くんはどう思う。」と振られ、「反論を書くことは、吉本隆明対柄谷行人の代理戦争になる。」と生意気なことを言ってしまったのです。
(柄谷が今になって村井の柳田批判は理解できなかったと言っても、あの頃は村井らの後ろに柄谷がいたことはみんな知っていましたから)
谷川さんは、「そうか代理戦争か」と言った後、「でもこのままでは、沖縄の人たちがかわいそうだ」
とさみしそうに何度も言っていたのが印象的でした。
柳田の「同情」と通じるものがあったのでしょう。 合掌