小田の輪の和

小田の輪ブログ

遠野常民大学の大先輩、荻野馨さんの『伊能嘉矩論』を刊行しました。

 遠野常民大学の荻野馨さんが亡くなって25年、やっと念願だった荻野さんの仕事を顕彰する本を出すことができまんした。

 伊能嘉矩没後100年、荻野馨没後25年、そして柳田國男生誕150年の記念事業として

遠野市の予算がつき、市立博物館から荻野馨著『伊能嘉矩論』が刊行されました。

 編集は、赤坂憲雄さん、伊能嘉矩研究の邱淑珍さん、遠野常民大学の似内邦男さん、菊池健さんと私です。

 目次を見ていただけるとわかりますが、荻野さんのお仕事のうち、伊能嘉矩研究のほとんどと、『遠野物語』研究のうち、伊能嘉矩の足跡がわかるものを合わせて編集しています。

 付録につけた伊能嘉矩手稿「研究の要領」は、伊能の台湾先住民調査に入るための採集項目で貴重な資料です。

 後藤総一郎先生と荻野馨さんは、この壮大な項目は外に向けたものに終わらず、私たちの内に向けた「自己認識」の指標と位置付けました。

 ぜひ手にとって伊能嘉矩、柳田国男、そして荻野馨さんの仕事を俯瞰してみてください。

 遠野常民大学をつくった後藤先生の評価にも繋がる本の刊行に携わることができてよかったです。

 本書は、遠野市立博物館にて販売しています。

 また、11月の遠野で開かれる「第44回 全国地名研究者 遠野・三陸 アイヌ語地名研究大会」でも販売します。

 ぜひいらしてください。