柳田国男は、ジュネーブからの帰国途中、ロンドンで、関東大震災の報を聞きます。
他の日本人はパニックになりますが、帰りたくても船がでません。
船を待つ期間、芭蕉の七部集を懐に、スコットランドを回ります。
ロンドン郊外のイトバリー村にある旧友、ロバートソン・スコットの邸宅を訪れ、昔の思い出にひたった時に詠んだ歌「あらうみのあなたの島の秋の夜に 此はな園を又や見に来ん」を題材にしました。
興味ある方は、『柳田國男全集』第35巻の「大正十二年九月二十日」の拙稿解題をご覧ください。
この柳田自筆の歌を発見したのは、イギリスの詩人で神話学者でもあるニール・フィリップで、詩仲間の木島始に送り、木島から全集編集部にもたらされたもの。
発見しても、ニールから木島に渡っていなければ、埋もれていたかもしれない一首
だったのです。
二作目は、歌のアクロスティックです。
始めての試みです。