ここ数年、一緒に取り組んで来た地域文化研究会の方々の労作「常民大学の総合的研究」がついに完成しました。
この本は、私たち常民大学の主宰講師であった後藤総一郎先生の畏友、北田耕也先生の発案で、北田先生のもとに集まった地域文化研究会の面々が、各地の常民大学を取材しまとめた大著です。
私も、計画当初からかかわり、原稿も書かせていただきました。
常民大学を創った後藤先生の業績は、きちんと評価されなければいけないと思ったのですが、わが常民大学は、今も続いている営為で決して過去形のものではないこと、本来ならば、私たちの手で総括しなければならない仕事であることを考えると、難題山積で正直どうなることかと疑問視もしていました。
しかし、会代表の草野滋之先生、事務局長の新藤浩伸先生はじめみなさまが真摯に向き合っていただき、ようやく陽の目を見、協力させていただいた者として安堵しています。
取材にあたって地域文化研究会の皆さまには、各常民大学はそれぞれに悩みを抱え、ぎりぎりのところで活動しているので、外からの視線だけでなく、研究会に参加して会員の眼も共有して欲しいと要望しました。
合同研究会にも、第28回の東京、第29回の花巻と二回続けて参加していただき、草野先生には記念講演もしていただきました。
残念なことは、完成を待たずに前事務局長の東海林照一氏が亡くなられたことです。
花巻での合同研究会が終わって、宮澤賢治記念館の山猫軒での食事の席で、「本が完成したら地域文化研究会が主催して合同研究会を開かせてもらいたい」と言ってくださった時のきらきらした瞳を忘れられません。
ご冥福をお祈りいたします。
この本をきっかけに、各常民大学の学習に拍車がかかることを願っています。
立川柳田国男を読む会より、『柳田国男の武蔵野断章』がもうすぐ刊行されます。
これもご期待ください。
私は、今回、水窪でひらかれる合同研究会に残念ながら参加できませんが、地域文化研から新藤さんはじめ何人かの方も参加してくださいますので、合同の出版記念のイベントの話がでることでしょう。
その時は、またお知らせいたします。