2013年の幕が開きました。
今年もよろしくお願いいたします。
「小田の輪の和」も開設して三年目を迎えます。
もっと更新回数を増やすことと、内容の充実を目指して頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします。
そこで、新年の第一回目ということもあり、今年の干支「巳」にちなんだ「創作コトワザ」です。
これは、いまから24年前に担任した小学校二年生の作品です。
一昨年、その教え子たちの保護者の方たちに講演でよばれ、思い出の作品として持参しました。
お読みください。
「ヘビでコトワザ遊びしちゃおう 国立市立国立第五小学校教諭 小田 富英
子供たちのやわらかな感性を、時おりにでも発見することは、私たち大人の大いなる楽しみでもありますが、逆に考えれば、それは、想像力が萎えてしまった私たちへの警告とも言えないことはありません。
「正月気分」がぬけないうちに、子供たちとワイワイやりながら、私たちの創造力も鍛えてみてはいかがでしょうか。
今年は、「巳年」。
そこで私が今受け持っている小学二年生の教室での、「ヘビのコトワザ集め」から「ヘビのコトワザづくり」「ヘビのコトワザかるた」までの教育実験例をご紹介しましょう。
『ことわざ辞典』で、「ヘビ」にちなんだコトワザを集めてみると、二年生でわかるものでも、ざっと五、六個は集まります。
「蛇足」からはじまって「蛇の生殺し」「蛇の曲り根性」「蛇に足なし 魚に耳なし」など。
それぞれのコトワザの意味を話し合っていくうちに、「ヘビに無いものなぁに?」という、どこかで聞いたことナゾナゾも飛び出してきます。
子供たちは、「足」とか「背骨」(背骨はあるのですが)とか一生懸命ですが、答えは「人気」。
そこで、人気のない「ヘビ」では、巳年のひとがかわいそうなので、自分たちで新しいコトワザをつくってしまおうとよびかけます。
最初は、「エーッ。できるわけないよ。」「イヤダヨ。」と大騒ぎしますが、ほんの二十分ほどで黒板いっぱいに集まります。
「ヘビの大食い」や「ヘビの美人」「どくヘビのむしば」「ヘビのたまごのみ」といったかわいらしいのから、「ヘビのさいごの力」「ヘビのどく出し なかまをころす」「ヘビのせぼね」といった、奥深い意味を感じさせるものまでありす。図工
「ヘビの赤ちゃん いじめられてそだつ」や「ヘビにカエルにハエ」などは、大げさでなく、人生や世界をつかんでしまったと言ってよいでしょう。
次の図工の時間は、自分たちでつくったコトワザを入れた「年賀状づくり」やカルタづくりです。
もう、子供たちは夢中です。
このように、私たちの想像力を鍛えなおす「教材」や「方法」はゴロゴロとしています。
ご家庭でも、そんなひとときを家族で共有できたなら、「笑い」と「創造力」の一石二鳥といったところではないでしょうか。」
(『社会新報』1989年1月10日付け より)
文章のなかで発表した以外に、カルタ作品として「ヘビとミミズ」「ヘビかわいがれは人気もの」「ヘビのゆかそうじ」などがありました。
どうでしょうか。
学校やご家庭で試みてください。
わたしも、このころから「十二支の創作コトワザ集」というものをもくろんで、毎年やっていたのですが、何年か出来なかった年もあって全部は集まりませんでした。
何年か前から、若い先生たちに、「こつこつ12年間続けてみて」とよびかけているのですが、持続している先生がいるかどうか・・・
いずれにしても楽しい実験です。
今の子供たちがどんなものを作るのかもしりたいところです。
作品ができましたらご連絡ください。